石灰石・鉱物・土石の採掘、セメント・環境資材・土壌改良材・鉱物・石材製品の加工販売、土木・建設工事の設計・施工鉱山周辺は、東西方向に伸びる海抜200〜300mの山地を挟んで北側は、三河湾、南側は田原町中心部の平坦地となっています。 東側の蔵王山(海抜250m)、西側の衣笠山(278m)の間に盆地状を呈しています。 しかし,石灰石はわが国で随一の埋蔵量を誇り,鉄鋼業やセメント業などわが国の高度経済成長を支えた産業で必要不可欠な鉱物であった。 本論は,石灰石鉱業協会発行の『石灰石』誌を中心資料として,主に二つの検討を行う。 本論の前半部では,石灰石の特性と用途を確認するとともに,戦前期からの石灰石鉱業の歴史を3期に分けて検討していく。
戦前期に一定の拡大を見せた石灰石鉱業が,戦後の高度経済成長に伴ってわが国規模の鉱業へと成長していく過程が明らかにされる。 また,その成長の背景としてグローリホール法から階段採掘法への採掘方法の移行が成功したことを指摘する。 後半部では,石灰石鉱業の生産過程の分析を行い,石灰石鉱業の生産過程を整理するとともに,採掘方法の移行が成功した生産過程における要因を三つの鉱山の事例から検討する。
この検討から,階段採掘法導入の隘路である積込過程の長距離化を克服する際に,既存技術であるグローリホール法の持つ積込過程の短縮,省略という技術的な特徴が階段採掘法に利用されたことによって採掘方法の移行が成功したことが明らかにされる。